LINE公式アカウントのショップカードを導入することで、店舗の売上向上とポイントカード運用の効率化を実現できます。
本記事では、ショップカードの基本機能から具体的な設定方法、運用時の注意点まで、実践的な内容を分かりやすく解説します。LINE公式アカウントのショップカードを活用して、顧客満足度を向上しましょう。
LINE公式アカウントで作成できる「ショップカード」とは?

LINE公式アカウントのショップカードは、従来の紙のポイントカードでできた、顧客管理と特典提供をデジタル化したツールです。
QRコードを活用したポイント付与や特典チケットの自動交換など、店舗運営者と利用者双方の利便性を高めることができます。
例えば、対面での接客時にはQRコードのスキャンでスムーズにポイントを付与でき、オンラインでもLINEのトーク画面を通じてポイントを発行できます。また、1から50ポイントの範囲で設定ができ、発行済みカード数や付与ポイント合計などの分析機能も搭載されています。
店舗の業務効率化とユーザーの利便性向上を同時に実現し、顧客満足度の向上にも貢献するマーケティングツールといえるでしょう。
LINE公式アカウントのショップカードでできること

ショップカードには、主に以下3つの機能が搭載されています。
- 顧客がLINE上で簡単にポイントを貯められる機能
- 運用状況を細かく分析できる機能
- リッチメニューへの設置機能
それぞれの機能の使い方や特徴を解説します。

顧客がLINE上でポイントを貯められる
ショップカードでは、LINE上でのポイント付与と管理が可能です。店舗でQRコードスキャンや商品購入時など、企業が設定したタイミングでポイントを付与できるので、顧客の来店や購買を促進することができます。
また、ポイントが貯まると自動的に特典チケットへと変換されるので、顧客はLINEアプリ上だけで完結可能です。
紙のポイントカードでは実現できなかった即時のポイント反映や特典付与により、顧客満足度の向上にもつながります。
使用状況を細かく分析できる
LINE公式アカウントのショップカードは、顧客のポイント利用状況を分析できる機能を備えています。管理画面では以下の数値データを確認できます。
- 発行済みカード数
- ポイント付与の合計数
- 特典チケットの発行数など
なお、認証済みアカウントでは、ポイントを付与したユーザーの名前やアイコンも表示され、顧客毎に利用パターンを把握できます。また、ポイント別の使用者数や有効期限切れカードの枚数など、カードの運用状況もデータで確認可能です。
分析機能により、店舗はポイントカードの効果測定や改善点が把握できます。例えば、特典チケットの発行数が少ない場合は特典の見直しを検討したり、有効期限切れが多い場合は期限の調整を行ったりと、データに基づいた運用の最適化につながります。
リッチメニューに設置できる
LINE公式アカウントのショップカードは、トーク画面下部のリッチメニューに設置することで、顧客の目に留まりやすい配置設定が可能です。顧客がLINEを開くたびにショップカードの存在を認識できるので、ポイント獲得への意識を高められます。
また、ショップカードは友だち追加に応じて自動的に発行されるため、在庫切れの心配もありません。デジタルならではの特徴を活かした配置により、顧客のリピート率向上と継続的な来店促進を実現できるのが、ショップカードの特徴です。

LINE公式アカウントのショップカードを使用する5つのメリット

LINE公式アカウントのショップカードには、コスト面から運用面まで、店舗経営に役立つ以下5つのメリットがあります。
- ショップカードを制作するコストがかからない
- 無制限で発行できる
- 友だち追加を促せる
- 再来店やリピート購入につながる
- 顧客の手間を軽減できる
これらのメリットを活用することで、効率的な顧客管理と売上向上を実現できます。
ショップカードを制作するコストがかからない
LINEショップカードは、デザインから運用まである程度の機能が無料で利用できます。従来の紙やプラスチック製ポイントカードで発生していた、デザイン費、印刷費、在庫管理費などの初期コストや運用コストが不要です。
また、LINE公式アカウントの管理画面から、背景画像の設定やポイント数の設定など、必要な項目を入力するだけで即座にカードを発行できるのもメリットです。
無制限で発行できる
LINEショップカードの発行枚数に制限はありません。。紙のポイントカードは在庫管理や追加発注が必要でしたが、LINEショップカードは新規顧客が増えるたびに自動的に発行されます。
店舗の規模や来客数に関わらず、必要な数だけカードを発行できるため、繁忙期の急な来客増加にも柔軟に対応可能です。また、デジタル発行により在庫切れや紛失のリスクも減るので、常に安定したサービス提供が実現できます。
友だち追加を促せる
LINEショップカードの利用には公式アカウントの友だち登録が必須なので、自然な形でLINEの友だち数を増やすことができます。
店舗での接客時に、ポイントカードの案内を通じて友だち追加を促すことで、LINE経由での情報発信や販促活動の基盤を構築できます。普段から使用しているLINEを活用することで、スムーズな友だち登録ができるので、LINEに馴染みのある若年層のお客様が多い店舗におすすめです。
再来店やリピート購入につながる
LINEショップカードの特典設計により、顧客の再来店意欲を高められます。例えば、カード取得時のボーナスポイントや中間特典の設定により、顧客が次の来店を計画するきっかけを作り出すことができます。
ポイント残高や特典までの進捗状況がLINE上で常に確認できるため、顧客の購買意欲を継続的に維持できるのも特徴です。
また、特典チケットの自動付与により、顧客は達成感とともに次の来店への動機付けを得られます。
顧客の手間を軽減できる
スマートフォン1台で複数店舗のポイントカードを一括管理できるのも特徴です。日常的に使用するLINEアプリ内でポイント管理ができるため、持ち歩きや紛失のリスクを解消できます。
また、ポイント残高やクーポンの有効期限がLINE上で確認できるので、店舗でポイント照会や残高確認の手間も省けます。
LINE公式アカウントのショップカードを使う際のデメリット・注意点

ショップカードを運用する際は以下3つの注意点に留意しましょう。
- LINEユーザーのみしか利用できない
- 有効期限の変更ができない
- ブロックされた際のリスク
課題を理解して、対策を講じることで効率的に運用ができます。
LINEユーザーでなければ利用できない
ショップカードは、LINEアプリのユーザーしか利用できません。高齢者層やLINEを使用しない顧客は、ショップカードを利用できないため、従来型のポイントカードとの併用が必要です。
ただし、国内のLINEユーザー数は9,700万人を超えており、特に若年層から中年層では高い利用率を誇ります。そのため、LINEを利用していない顧客へ別途ポイントカードの発行をしても、手間はかからないでしょう。
公開後は有効期限を変更できない
ショップカードは一度公開すると、多くの設定項目は変更可能ですが、有効期限だけは例外です。期限設定は慎重に行う必要があり、変更が必要な場合は、カードを新規で作成し直さなければなりません。
また、公開停止日を設定した場合も、その予約を取り消すことはできないので、有効期限や公開停止日の設定には、運用計画を十分に把握した上で進めることが大切です。
ブロックされると意味がなくなる
LINE公式アカウントは、ブロックされてしまうリスクがあります。。特に、過度な通知や一方的な情報配信は、ユーザーのブロック行動を誘発する主な要因です。
ブロックされてしまうと、蓄積されたポイント情報の確認や特典の利用ができなくなり、ショップカードの機能が完全に失われてしまいます。ブロックされないようにするためには、メッセージ配信の頻度や内容を管理することが大切なので覚えておきましょう。
LINE公式アカウントでショップカードを作成する方法

ショップカードの作成は、以下6つのステップで作成可能です。
- 管理画面にログインしてショップカード設定を開く
- ショップカード上部の背景画像と色を設定する
- ゴールまでのポイント数・ゴール特典・ポイント特典を設定する
- カード有効期限と有効期限の通知を設定する
- カード取得ボーナスとポイント取得制限を設定する
- 最後に利用ガイドを設定してカードを公開する
設定画面へのアクセスから公開までの手順に従えば、迷うことなく設定を進められます。ここでは、具体的な手順を見ていきましょう。
①管理画面にログインしてショップカード設定を開く
まずはLINE公式アカウントの管理画面へログインします。

ログイン後、左側のメニューから「ショップカード」を選択し、表示される「ショップカードを作成」ボタンをクリックすることで、設定画面に移行できます。
②ショップカード上部の背景画像と色を設定する
ショップカードのデザインは、背景画像とカラーの設定で店舗のイメージに合わせた表現が可能です。背景画像は3MB以下のJPG、JPEG、PNG形式で、1920px × 960pxのサイズを推奨しています。

また、ブラウンやブルーなど10種類のカラーバリエーションから、店舗のブランドイメージに合う色を選択できます。
③ゴールまでのポイント数・ゴール特典・ポイント特典を設定する
次にゴールまでのポイント数・ゴール特典・ポイント特典を設定します。この際に設定する基準の目安は以下の通りです。
ゴールまでのポイント数 | 来店や購入頻度が高いビジネスなら、ゴールまでのポイント数を多めに設定 |
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ゴール特典 | 特典が豪華すぎると利益が圧迫されるため、粗利率の高い商品やサービスを特典にする |
ポイント特典 | 小さい特典をこまめに設定することで、継続的な利用を促す |
あくまでも、一例ですので設定の基準は自社にあった方法を選びましょう。
④カード有効期限と有効期限の通知を設定する
カードの有効期限は、初回利用日または最終利用日から計算される期間を設定します。公開後は変更できない項目のため、店舗の運営方針や顧客の利用頻度を考慮して慎重に決定する必要があります。
加えて、有効期限切れを防ぐため、期限切れの前日から最大1ヶ月前までの任意のタイミングで通知を設定することも可能です。
タイミングを通知することで、顧客は焦りがうまれるため、店舗の利用を促進することができます。
⑤カード取得ボーナスとポイント取得制限を設定する
ショップカードでは、カード取得ボーナスとポイント取得制限を設定することで、利用者の継続率を高められます。初回のボーナスがあると、新規顧客のエンゲージメントが向上し、ポイント取得制限を設けることで不正や短期間での達成を防げるためです。
例えば、「カード取得時に1ポイントプレゼント」や「1日1回までポイント付与」などの設定をしましょう。
制限を設けることで、公平にアカウントの運用ができます。
⑥最後に利用ガイドを設定してカードを公開する
利用ガイドでは、ポイントの貯め方や特典の受け取り方など、顧客が必要とする基本的な情報を明確に記載します。具体的な使用手順やポイント付与のタイミング、特典の利用方法など、顧客が迷わないよう分かりやすく説明を加えましょう。
利用ガイドを設定しておくことで、顧客とのトラブルを防ぐことができます。
設定した内容を最終確認し、問題がなければカードを公開して運用開始です。
LINE公式アカウントのショップカードで今すぐ始める顧客管理

LINE公式アカウントのショップカードは、デジタル化による運用効率の向上と顧客満足度の向上を同時に実現できるツールです。LINEユーザーに限定される点や設定後の制限事項など、いくつかの注意点はありますが、適切に運用することで、課題は十分にカバーできます。
デジタルポイントカードの導入を検討している店舗は、まずは無料で利用できるLINEショップカードから始めてみてはいかがでしょうか。設定手順に沿って進めれば、短時間でポイントカードの運用を開始できます。
顧客との新しいコミュニケーション基盤を構築し、売上向上につなげていきましょう。