LINEは現代のマーケティングにおいて、非常に有効な手段です。しかし運用面において以下の悩みを感じてる方も多いでしょう。
「LステップやLINE公式アカウントのAPIってどう違うの?」
「APIってよく聞くけれど、結局何ができるの?」
この記事では、LINE公式アカウントAPIとLステップの特徴と導入してできることを中心に解説します。
LINE公式アカウントを効率よく活用したい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
LINE公式アカウントの「Messaging API」とは?

LINE公式アカウントの「Messaging API」は、企業や個人事業主がLINEを通じて、より柔軟で効果的なコミュニケーションを実現するための技術的な仕組みです。
APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの略で、異なるシステム同士をつなげるための仕組みを指します。簡単に言えば、あるサービスと別のサービスを繋ぐパイプ役です。
たとえば、以下のような場面でAPIは使われています。
- ネット予約がGoogleカレンダーと連動する
- ECサイトの注文情報が自動で在庫管理システムに反映される
- LINEメッセージのやりとりが顧客管理システムに記録される
APIを使うと、一部の業務で手作業が不要になり、業務が効率化されます。LINEのMessaging APIもこの一種で、LINEと外部システムをつなげることで、より柔軟なLINE運用が可能になるでしょう。
LINE公式アカウントにMessaging APIを導入する2つの方法

Messaging APIを使えば、ユーザーの行動に応じたメッセージ配信や、外部システムとの連携が可能になり、LINEを単なる連絡ツールから売上につながるマーケティングツールへと進化できます。
Messaging APIを導入する方法は、以下の2つがあります。
- 自社でシステムを独自開発する方法
- Lステップなどの外部ツールを利用する方法
それぞれの特徴と、どのような企業に適しているのかを解説します。
①システムを独自開発する
最も柔軟性が高い方法が「自社でMessaging API対応のシステムを独自構築する」ことです。自社の業務フローにぴったり合ったLINE連携が可能になるため、理想的な形でLINEを運用できます。
たとえば、顧客管理システム(CRM)と連携させて、購入履歴に応じたメッセージを送ったり、社内の在庫情報と連動して商品案内を出したりなどです。
【システムを独自開発するメリット】
- 自社の業務に完全に合わせた機能開発が可能
- 他システムとの連携も自由度が高い
- 運用のカスタマイズ性が非常に高い
【システムを独自開発するデメリット】
- 開発コストが高くなる(初期費用・保守費用)
- ITリテラシーやエンジニアの確保が必要
- リリースまでの期間が長くなる傾向がある
【システムの独自開発はこんな企業におすすめ】
- 社内にエンジニアチームや開発パートナーがいる
- LINE運用に大きな投資ができる企業
- 独自のワークフローや顧客データ連携を重視している企業
システムの独自開発は「自由度の高さ」と「導入コストの高さ」を考慮する必要があります。業務に合わせたカスタマイズを求める企業には最適ですが、コスト面や運用負荷を踏まえて判断しましょう。
②Lステップなどの拡張ツールを導入する
もう一方の導入方法が、Lステップなどの拡張ツールを使ってMessaging APIを活用する方法です。Lステップなどの拡張ツールを使うと、技術的な知識がなくても導入しやすく、すぐに使い始められるのが魅力です。
LステップはMessaging APIをベースにしたツールで、ステップ配信・セグメント配信・顧客管理・予約受付など、LINE公式アカウントの機能を大幅に拡張できます。
【Lステップのメリット】
- 初期費用・月額コストが比較的リーズナブル
- ノーコードで直感的に操作できる
- マーケティング機能が豊富で即戦力になる
- サポートやテンプレートが充実しており安心
【Lステップのデメリット】
- カスタマイズの自由度は独自開発より制限がある
- 自社業務に完全にマッチしないケースもある
【Lステップはこんな企業におすすめ】
- 専門知識がなくてもすぐに始めたい企業
- LINE運用を自動化・効率化したい企業や個人事業主
- 初期投資を抑えて成果を出したい企業
Lステップを使うと、「商品購入後に自動でフォローメッセージを配信」「LINE上で予約受付とリマインド配信」「誕生日にクーポンを送信」などが簡単に設定できます。
自社でシステムを開発するよりも柔軟性は劣りますが、多くの中小企業にとっては費用対効果が高く、導入のハードルも低いため、現実的な選択肢といえます。
LINE公式アカウントにLステップなどのAPIを導入するとでできること

LINE公式アカウントにLステップなどのAPI連携ツールを取り入れると、以下のようなことができるようになります。
- 自動応答
- ステップ配信
- セグメント配信
- さまざまな種類のメッセージ送信
- リッチメニューのカスタマイズ
- ユーザー情報の取得・管理
今までは手作業で行っていた作業も、自動化によって効率よく対応できるようになります。
自動応答
自動応答とは、お客様からLINEでメッセージが届いたときに、あらかじめ設定した内容で即座に返信できる仕組みです。
営業時間外やスタッフが対応できないタイミングでもAPIを使って自動返信できるので、機会損失を防げます。
具体的には、以下のような使い方があります。
- 「営業時間を教えてください」に対して→「当店は平日10時〜18時まで営業しています」
- 「予約できますか?」に対して→「こちらからご予約ください」とURLを送信
よくある質問を自動返信するだけでも対応の手間が減り、ユーザー満足度も向上します。
ステップ配信
ステップ配信は、登録してくれたお客様に対して、あらかじめ設定したタイミングでメッセージを順番に送る機能です。
ステップ配信は、以下のような場面で活用されています。
- 登録直後に「ご登録ありがとうございます」という挨拶メッセージを送信
- 3日後には自社サービスの魅力を伝えるメッセージ
- 1週間後には期間限定のキャンペーン情報をお知らせ
上記のように段階的にメッセージを送ると、「せっかく登録してくれたのに、その後のフォローが手薄になってしまう」などの課題を解消できます。
LINE上で自動的にお客様との関係性を深められるため、初回接触からスムーズに信頼関係を築ける上に、売上アップにつながる流れを効率的に構築できるでしょう。
セグメント配信
セグメント配信とは、登録しているお客様を「性別」「年齢」「興味・関心」「過去の行動」などでグループ分けし、それぞれに合ったメッセージを送る方法です。
全員に同じ内容を送るよりも、「この人に必要な情報だけ」を送るほうが興味を持ってもらいやすく、反応も良くなります。
以下、セグメント配信の実用例をいくつか紹介します。
- 女性だけに「美容関連サービス」の案内を送る
- 過去に商品を購入した人にだけ「リピート割引クーポン」を配布
- 資料請求した人にだけ「詳しい活用事例」を案内
セグメント配信は、無駄な配信が減るだけでなくブロックされるリスクも減るため、長く関係を築く上で大切な機能です。
さまざまな種類のメッセージ送信
Lステップなどを使うと、LINEで送れるメッセージの種類が豊富になります。
通常のテキストだけでなく、画像・動画・ボタン付きメッセージ・カルーセル(横スクロール式のカード型メッセージ)など、商品やサービス内容に合わせて情報発信ができます。
以下が、代表的なメッセージ形式と活用例をまとめたものです。
メッセージの種類 | 活用例 |
---|---|
画像付きメッセージ | 新商品の紹介、メニューのご案内 |
ボタン付きメッセージ | 予約フォームへの誘導、詳細ページへのリンク |
カルーセル | 複数の商品を一括で紹介する場合など |
クーポン | 限定キャンペーンや再来店促進 |
伝えたい情報を見やすく、わかりやすく届けられるのが大きな魅力です。視覚的に訴える内容は、お客様の印象にも残りやすくなるでしょう。
リッチメニューのカスタマイズ
リッチメニューは、LINEのトーク画面下に常時表示されるメニュー画面です。
API連携をすると、メニューを以下のように切り替えたり、タイミングに応じて自動で変更したりできます。
- 初回登録時:「初めての方はこちら」
- リピーター向け:「マイページ」、「再注文はこちら」
- イベント期間中:「キャンペーン詳細を見る」
さらに、タブ形式のリッチメニューを使えば、複数のコンテンツをタブ状にコンパクトにまとめて表示できるため、ユーザーが迷わず目的の情報にたどり着きやすくなります。
リッチメニュー自体はLINE公式アカウント単体でも作成できますが、API連携することで、ユーザーごとにメニューを変えるなど、より柔軟なカスタマイズが可能です。
リッチメニューの活用や設定方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

ユーザー情報の取得・管理
APIを通じて、LINE上でのお客様の行動や登録情報を自動で収集・管理できるようになります。
お客様がどのボタンを押したか、どんなアンケートに答えたか、どこから登録してくれたかなどの情報も、すべてデータとして残ります。
上記のデータを活用すると、次のような対応が可能です。
- 興味を持っている商品に合わせて配信内容を変更
- リピート購入をしているお客様だけに特典案内
- 未購入の方にフォローメッセージを自動送信
顧客対応が丁寧になると信頼感も高まり、リピートや紹介につながりやすくなります。
【Lステップ含む4選】LINE公式アカウントのAPIを利用したおすすめの拡張ツール

数ある拡張ツールの中から、以下の代表的な4つのサービスを紹介します。
- Lステップ
- L Message(エルメ)
- プロラインフリー
- Liny(リニー)
それぞれの特長や向いている業種を理解して、どのツールが自社に適してるのかの参考にしてください。
Lステップ
Lステップは、LINE公式アカウントの機能を一気に拡張してくれる高機能ツールです。特に「見込み客の育成」や「リピーターの増加」などのマーケティング視点での活用に強みがあります。
Lステップの主な機能は、以下の通りです。
- 【ステップ配信】
- ユーザーの行動や属性に応じて、メッセージを段階的に自動送信
- 【セグメント配信】
- 年齢・性別・興味関心などで配信先を分けて最適化
- 【アンケート・予約管理】
- ユーザーの回答をもとに自動でタグ分けし、個別対応も可能
- 【スコアリング機能】
- 顧客の行動を点数化して「優良見込み客」を分析
一例を挙げると、「セミナーに申し込んだ人には追加案内を送る」「購入履歴がある人にはリピート割引を案内する」などの個別対応がすべて自動でできます。
Lステップは、「LINE配信が単発で終わってしまっている」「もっと育てる仕組みがほしい」という方に最適なツールです。
L Message(エルメ)
L Message(エルメ)は、「シンプルさ」と「使いやすさ」が魅力のLINE拡張ツールです。特に「ITにそこまで詳しくないけど、LINEの自動化に取り組みたい」という方に支持されています。
L Messageの操作はドラッグ&ドロップでできるため、プログラミングの知識がなくても簡単に扱えます。
以下、L Messageの主な機能を紹介します。
- 【アクション型の自動応答】
- ユーザーの操作に応じて、配信内容を分岐・自動化
- 【外部サービスと連携】
- Shopify・BASEなどのネットショップと連携可能
- 【チャット型対応】
- メッセージのやりとりをスムーズに自動化
ネットショップと連携させると、購入後の自動メッセージやリピート促進が可能になります。
L Messageは、「自分でもできる範囲からLINE運用を始めたい」「難しすぎるツールは避けたい」という方に適したAPIツールです。
プロラインフリー
プロラインフリーは、「できるだけ費用をかけずにLINE配信の自動化を始めたい」という方向けの、コストパフォーマンス重視の拡張ツールです。
無料プランでも基本的な機能が使えるため、まずはお試し感覚で導入したい方におすすめです。
プロラインフリーに備わっている機能は、次の通りです。
- 【ステップ配信・予約対応】
- シンプルながら必要な自動配信が可能
- 【タグ管理】
- ユーザーの反応に応じて分類し、配信の精度が向上
- 【わかりやすい管理画面】
- 初心者でも迷わず設定できる設計
プロラインフリーを使うと、初回相談の予約受付から、その後の自動フォローまでをほぼ自動で実現できます。
「まずはLINEを自動化して、効果が見えたら本格的に乗り換えたい」と考えている方におすすめの拡張ツールです。
ただし、Lステップのような高度なセグメント配信や分析機能は限定的になるので、注意しましょう。
Liny(リニー)
Liny(リニー)は、企業向けの本格派拡張ツールとして知られており、LINE運用を戦略的に強化したいというニーズに応える機能が詰まっています。
Linyでできることは、以下の通りです。
- 【詳細なユーザー管理】
- 顧客ごとに細かく情報を記録し、対応を最適化
- 【リアルタイム分析】
- メッセージの開封率や反応を視覚的に把握
- 【複数アカウントの一元管理】
- ブランドや拠点ごとにLINEを使い分けている企業にも対応
営業部と店舗部で別々のLINEアカウントを使っている場合でも、Linyでまとめてアカウント管理できます。
Linyは、「社内に複数の担当者がいて、管理体制をしっかり構築したい」「PDCAをしっかり回して成果を上げたい」と考える企業におすすめです。
LINE公式アカウントのMessaging API・Lステップの導入がおすすめな企業の特徴

Messaging APIやLステップの導入は、以下のようなケースで効果が変わってきます。
- LINE公式アカウントの運用に課題がある企業
- LINE公式アカウントの機能に物足りなさを感じる企業
- LINE公式アカウントをより効率的に運用して成果を上げたい企業
自社の状況と照らし合わせながら、導入検討を行ってみてください。
LINE公式アカウントの運用に課題がある企業
LINE公式アカウントの運用に課題を感じている企業には、APIの導入をおすすめします。
具体的には、以下のような課題を抱える企業です。
- 友だちは増えているのに成約に繋がらない
- メッセージ対応に時間がかかっている
- 配信が一斉でしかできず、反応率が低い
上記の課題は、LステップなどのLINE公式APIやLステップAPIを導入すると解決できます。
APIを使えば手作業を減らし、運用の効率化や成果の最大化が実現可能です。
LINE公式アカウントの機能に物足りなさを感じる企業
LINE公式アカウントの標準機能には制限があり、「もっとこうできたらいいのに」と思う場面が多い企業も導入を検討してみましょう。
LINE公式アカウントの運用でよくあるお悩みとしては、以下が挙げられます。
- 顧客ごとに内容を変えたメッセージが送れない
- ユーザーを分類して、ユーザー毎に適した対応ができない
- ステップ配信(時間をずらして自動的にメッセージを送る)ができない
- お客様の反応や行動が見えない
- 予約管理や外部ツールと連携できない
LステップなどのMessaging APIツールを使えば、細かなシナリオを組んで対応を効率化できます。
「もっと柔軟に、もっと効果的に使いたい」と感じている企業は、Lステップなどの拡張ツールを取り入れると、悩みを解決できる可能性が高くなります。
LINE公式アカウントをより効率的に運用して成果を上げたい企業
LINE公式アカウントをすでに活用している企業も、効率化を求める場合はLステップの導入を検討した方がいいかもしれません。
具体的には「配信に手間がかかる」「担当者の負担が大きい」と感じている企業です。
こうした課題は、Lステップの機能で解決できます。
- ユーザーの行動に応じて自動でメッセージを配信
- 顧客ごとに表示されるリッチメニューを変更
- Googleスプレッドシートなど外部サービスと連携してデータ管理を効率化
- アンケートや申込フォームの作成・自動返信対応
業務の効率化と成果アップを両立させたい企業にとって、Lステップの導入は課題解決のきっかけになるでしょう。
成果を出すLINE運用には、API導入とツール選定がカギ

LINE公式アカウントで成果を出すためには、「APIの導入」と「最適なツールの選定」が不可欠です。
単にアカウントを開設して情報発信を行うだけでは、顧客とのコミュニケーションギャップなどが生じ、期待した効果を得られない可能性があります。
今回ご紹介したLステップなどのMessaging APIツールを活用すると、以下の業務が効率化できるため、顧客満足度を向上できます。
- 配信の自動化
- セグメント管理
- データ取得
限られたリソースでも、LINEマーケティングで成果を出したいと考えている企業は、「API連携に対応したツールの導入」を検討することをおすすめします。
LステップをはじめとするAPIツールを上手に活用し、自社に合った運用体制を整えてください。