ホームページとランディングページの違いとは？メリット・デメリットや使い分けも徹底解説

「自社の集客課題に適したWebページは、ホームページとランディングページのどちらだろう」

「それぞれのページ構成や役割にどういった違いがあるのか」

Web集客を強化したいと考えたとき、上記のような悩みを持つ方も少なくありません。

そこで本記事では、ホームページとランディングページの違いを具体的な視点で徹底的に解説します。

ページごとの目的や設計思想、ターゲット設定、構成要素の違いといった基本事項から、それぞれのメリットやデメリット、事業フェーズや目的別の効果的な使い分け方法まで紹介しているので、Web戦略の判断材料としてぜひ活用してください。

ランディングページ（LP）とホームページの7つの違い

はじめに、ランディングページ（LP）とホームページの違いを7つ紹介します。

それぞれどんな違いがあるか詳しく見ていきましょう。

言葉の意味の違い

ランディングページ（LP）は主に1ページ完結の訴求ページ、ホームページは企業全体を伝えるWebサイト全体を指します。

ランディングページには「ユーザーが最初に到達したWebページ」という広義の意味と、「広告などのリンク先に設定される1ページ完結型の販促用ページ」という狭義の意味があるのはご存じでしょうか。

企業の広告戦略でよく使われるのは後者であり、特定の商品・サービスに関心を持つ訪問者を対象に作られたページです。本記事では、この狭義のLPに焦点を当てて解説しています。

一方、ホームページとは、会社やブランドの情報を提供するWebサイト全体を指し、トップページを起点に、事業紹介・採用情報・問い合わせなど複数のページで構成された集合体です。

LPの意味に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

制作する目的の違い

ランディングページ（LP）は短期的な成果を狙ったコンバージョン重視のページ、ホームページは企業情報を幅広く伝える信頼構築のためのサイトです。

LPの目的は、資料請求・購入・来店予約など、訪問者に特定のアクション（コンバージョン）を起こしてもらうことです。短期間で成果を得たいときに広告と組み合わせて使用され、キャンペーンや新サービスの訴求などに向いているでしょう。

一方、ホームページの主な役割は、企業の存在意義や信頼性、事業全体の概要を包括的に伝えることです。会社概要、沿革、サービス紹介などを通じて、中長期的なブランド認知や信用構築に貢献します。

ターゲットの違い

ランディングページ（LP）は商品やサービスに関心を持つ見込み顧客を対象にし、ホームページは顧客や求職者など多様な関係者を想定して設計されます。

LPは、自社の商品やサービスに関心を持っている「今すぐ客」や「今すぐではないが将来的に検討し得る見込み客」を主なターゲットとします。そのため、見込み顧客の年齢・職業・課題などを明確に設定した上で、ニーズに特化した訴求内容を構成しましょう。

一方、ホームページは、顧客、取引先、求職者、株主、報道関係者など、多様なステークホルダーを対象にしています。掲載される情報も広範囲にわたり、どの層が訪問しても必要な情報が得られるよう、包括的かつ網羅的な内容構成が求められます。

ページ数の違い

ランディングページ（LP）は1ページに情報を集約した完結型、HPは複数の下層ページを持つ構造で回遊性を重視しています。

LPは基本的に1ページ完結型であり、ユーザーはリンク遷移せずにスクロールのみで情報を取得できる設計です。また、離脱を防ぐため、他ページへのリンクは最小限に抑えられているケースが多いでしょう。

LPに対し、ホームページは複数の下層ページを持ち、たとえば「事業紹介」「採用情報」「IR情報」などのカテゴリごとにページが分かれています。この構造により、ユーザーはトップページを起点に各情報へアクセスし、関心のある分野を深掘りしやすい利点があると言っても過言ではありません。

デザインの違い

ランディングページ（LP）は強い訴求力と行動喚起を意識した派手なデザイン、ホームページはブランドイメージに配慮した落ち着いた構成が一般的です。

LPは、訪問者の注意を引き、最終的な行動（コンバージョン）を後押しするための設計が基本です。印象的なビジュアル、大きな文字、感情を刺激するコピー、視線誘導を意識したレイアウトが特徴的で、ページ全体にストーリー性を持たせる構成が好まれるでしょう。

一方、ホームページは、企業ブランドや信頼性の訴求が目的であるため、落ち着いた配色や整ったナビゲーション、統一感のあるデザインが重視されます。どのステークホルダーにとっても読みやすく、企業のトーン＆マナーに合致した構成が求められます。

コンテンツ内容の違い

ランディングページ（LP）は商品・サービスの訴求に特化し、ホームページは企業情報を網羅する多層構成です。

LPは、1つのサービスや商品に特化し、訪問者の課題を明確にし、その解決策として自社商材の訴求が欠かせません。構成としては、「課題の提示 → 解決策の提案 → 商品の特徴 → 利用者の声 → よくある質問 → CTA」という流れが一般的で、情報をストーリー立てて配置することで、購入や申込のハードルを下げます。

一方、ホームページは、企業としての情報基盤であり、事業概要、沿革、ビジョン、サービス一覧、導入実績、プレスリリース、採用情報など、さまざまな目的に対応する情報が集約されています。そのため、訪問者の目的が多様でも、必要な情報にたどり着ける構成が求められます。

制作費の違い

LPは構成がシンプルなぶん費用を抑えやすく、HPは複数ページの構築が必要なためコストが高くなる傾向があります。

ランディングページは1ページ構成のため、デザインやコンテンツ設計の範囲が限定されており、比較的費用を抑えやすいでしょう。フリーランスに依頼する場合は5万円前後、Web制作会社の場合は10万円〜20万円程度が相場となります。

ただし、LPは広告運用とセットで使用することが多く、制作費に加えて継続的な広告出稿費が必要になる点も考慮する必要があります。

一方、ホームページは複数ページかつ機能要件も多岐にわたるため、設計・開発工数が増え、それに比例して費用も高額になりかねません。フリーランスで依頼する場合は5万円〜10万円、制作会社では40万円前後が一般的で、要件によっては100万円以上となるケースもあります。

また、WordPressなどのCMSを活用すれば、自社制作で費用を抑える方法もありますが、知識とリソースが必要です。

LP制作の相場に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

ランディングページ（LP）とホームページのメリット・デメリットの違い

ここでは、ランディングページ（LP）とホームページのメリットやデメリットの違いを紹介します。

それぞれの特徴を踏まえたうえで、どちらを優先して活用すべきかの判断材料としてご活用ください。

メリットの比較

目的達成のスピードを重視するならランディングページ（LP）、信頼構築や情報発信を重視するならホームページが有効です。下表では、それぞれの強みを整理しています。

観点	ランディングページ（LP）	ホームページ（HP）
成果スピード	明確な行動目的に集中し、即効性の高い成果が期待できる	長期的な信頼構築が得意
設計の集中度	資料請求・購入などに最適化された構成で成果に注力可能	多様な情報を体系的に展開可能
改善のしやすさ	A/BテストやUX分析を反映でき、PDCAサイクルが回しやすい	コンテンツ蓄積に伴う改善が可能
SEO効果	キーワード最適化やUX改善により自然流入が見込める	内部リンクとコンテンツ量により安定した集客が可能

どちらの強みを活かすかは、目的や期間、ターゲット次第です。自社に合った運用方針を明確にしましょう。

デメリットの比較

ランディングページ（LP）とホームページは使い方によって弱点も異なります。コストや運用スキルの必要性といった注意点を、事前に把握しておくことが大切です。

観点	ランディングページ（LP）	ホームページ（HP）
SEOの弱さ	ページ構成が単一で自然流入に不利	SEO成果が出るまでに時間がかかる
コスト	広告運用やLP作成の繰り返しによって費用がかさむ	制作・管理の工数およびランニングコストが高い
専門性	広告運用・コピー設計・CV導線構築に専門知識が求められる	CMS・SEO運用のための専門的スキルが必須

課題を把握したうえで、無理のない範囲で導入・運用できる体制を整えましょう。

違いからわかるランディングページ（LP）とホームページの使い分け

ここでは、ランディングページ（LP）とホームページの違いによる使い分けを紹介します。

活用シーンを具体的に知ることで、自社に最適なWeb施策を選びやすくなります。

ランディングページ（LP）がおすすめなケース

短期で成果を狙うなら、ランディングページ（LP）が効果的です。

LPは、資料請求や購入など明確なアクションを促すための設計に特化しており、特定の目標に集中しやすい構造です。たとえば、新商品・キャンペーン・イベントの訴求など、短期間で結果を出したい場面に最適と言えるでしょう。

1ページで情報を完結させられるため、制作が早く、費用も抑えやすいのが特徴でもあります。さらに、A/Bテストやヒートマップなど効果検証もしやすく、PDCAを回しやすいのも利点です。また、特定の属性（例：20代女性や経営者層）に向けて訴求を絞りたい場合にも有効な手段となるでしょう。

ホームページがおすすめなケース

企業全体の信頼構築や長期的な集客には、ホームページの活用が欠かせません。

会社概要やサービス紹介、採用情報などを網羅できるため、顧客や取引先、求職者など幅広いステークホルダーに対応できます。初めて企業名で検索された際も、信頼性を印象づける情報基盤として機能するでしょう。

また、継続的な情報発信とSEO施策により、検索エンジン経由の流入を見込める資産型メディアとしても活用できます。複数事業を展開する企業や、ブランド価値を体系的に伝えたい場合にも、階層化されたページ構成が適しています。

ランディングページ（LP）とホームページの違いに関するQ＆A

最後に、ランディングページ（LP）とホームページの違いに関する疑問を、Q&A形式でご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

ランディングページとホームページのSEOに違いはある？

ホームページのほうがSEOに適しており、ランディングページ（LP）は自然検索での集客に不向きです。

LPは広告経由のアクセスを前提としており、1ページ構成・リンクの少なさ・コンテンツ量の不足といった点から、検索エンジンでの評価を得にくい傾向があります。

一方、ホームページは複数のページで構成され、内部リンクや情報量を活用したSEO施策を講じやすい点が特徴です。検索ニーズに応じてキーワードを分散できるため、自然検索からの中長期的な流入を見込めるでしょう。

ホームページはあるけどランディングページも必要？

短期成果を求めるなら、ホームページとランディングページ（LP）の併用が効果的です。

ホームページは会社情報や全体のサービス紹介に適していますが、特定の商品の訴求や問い合わせ数を増やしたい場合は、専用のLPが必要となるでしょう。

たとえば、新商品の販促、イベントの申込、期間限定のキャンペーンなど、明確なゴールを設定した施策にはLPが最適です。ターゲットを絞った訴求や、ブランドと切り分けたプロモーションにも向いており、導線の分離によって訴求力が高まります。

ユーザーエンゲージメントを高めやすいのはどっち？

短期で反応を得たい場合はランディングページ（LP）、長期的な関係構築にはホームページが適しています。

LPは1ページ内で訴求を完結させ、ユーザーを行動に導く流れを設計できるため、コンバージョンを狙った施策に有効です。特に、広告やキャンペーンなど短期間で結果を求める場合に強みを発揮します。

一方、ホームページは情報の網羅性と継続的な発信により、信頼構築と再訪を促し、ユーザーとの長期的な接点を育てやすい構成です。問い合わせ・採用・資料請求など、複数の接点を用意することでエンゲージメントを高められます。

ホームページとランディングページの違いを理解し戦略的に使い分けよう

ホームページとランディングページは役割も構成も異なるため、目的に応じて使い分けることが成果に直結します。

本記事では、それぞれの特徴・メリット・デメリット、活用のポイントを整理しました。

自社の目的やフェーズに応じて選択・運用を最適化すれば、Web集客の成果は確実に向上します。

ただし、構成設計や効果改善には専門性が求められるため、不安があればWeb制作会社への相談を検討しましょう。的確な提案と設計で、より高い費用対効果を実現できます。

専門性の高いWebサイト制作をお考えなら、まずはクライアンドにご相談ください。