「LINE公式アカウントって、個人情報が流出する危険性はないの?」
「LINE公式アカウントを利用するリスクはある?」
LINE公式アカウントを活用する際、上記のような不安を感じたことがある方もいるのではないでしょうか。
ビジネスや個人で幅広く活用されるLINE公式アカウントは多彩な機能を備えていますが、セキュリティ対策が不十分では、個人情報の漏洩や第三者による不正利用といったリスクが伴うのも事実です。
そこで本記事では、LINE公式アカウントにおける個人情報の収集方法やリスクをわかりやすく解説し、安全に利用するための5つのセキュリティ対策を紹介します。
大切な個人情報を守りながら安全にLINE公式アカウントを活用するためにも、ぜひ参考にしてください。
LINE公式アカウントで個人情報が流出する可能性はある?

LINE公式アカウントは企業と顧客が円滑にコミュニケーションするためのツールとして重宝されていますが、個人情報流出などのリスクも少なからず抱えています。
ビジネスに支障を来たすだけでなく、最悪の場合訴訟問題にも発展しかねないため、事前の対策は必須と言えるでしょう。
ここではまず、LINE公式アカウントにおける個人情報の考え方や、個人情報が取得されるタイミングについて確認していきます。
そもそも「個人情報」とは
「個人情報」とは、特定の個人を識別できる情報を指すのが一般的です。名前、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日といった基本情報のほか、顔写真、指紋、パスポート番号などの識別符号も含まれます。
日本の「個人情報保護法」によると、「生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるもの」と定義されており、複数の情報を組み合わせて個人を識別できる場合も該当します。
たとえば、「年齢」と「居住地」を組み合わせることで個人を特定できるケースも「個人情報」として扱われるので、あらかじめ押さえておきましょう。
LINE公式アカウントにおける個人情報の収集
LINE公式アカウントでは、顧客とのやり取りを通じて個人情報が収集されます。
これらの情報は、ニーズを把握し、サービスの質を向上させるために欠かせないものです。
個人情報を活用することで顧客対応をスムーズにし、ターゲットに合わせてマーケティングの軌道修正も効率的に行えます。
顧客満足度と信頼性の向上に役立つ大切な要素ですが、その分管理体制には十分配慮しなければなりません。顧客とのやり取り自体に最新の注意を払い、適切に扱うようにしましょう。
収集される個人情報の種類
LINE公式アカウントでは、以下のような個人情報が収集されることがあります。
- 基本情報: 氏名、性別、年齢、プロフィール画像
- 連絡先情報: メールアドレスや電話番号、LINE ID
- 行動情報: 購買履歴、興味や趣味、アンケート回答
- デバイス情報: 利用しているスマートフォンやOSの種類
- 位置情報: 地域限定キャンペーンや店舗案内で利用
氏名や年齢は顧客対応・個別のマーケティング戦略に、連絡先などはキャンペーン案内とサポート連絡に活用できるでしょう。
また、購買履歴や趣味といった行動情報は、プロモーションとサービスの最適化に役立てられます。
個人情報が取得されるタイミング
LINE公式アカウントで個人情報が取得されるタイミングは以下のように細分化できます。
- アカウント登録時: 友だち追加時に名前やメールアドレスを提供
- メッセージ送信時:問い合わせや相談内容の記録
- キャンペーン応募時: プレゼント応募やクーポン登録
- アンケート回答時: 意見や感想の収集
これらの場面では、顧客が自ら情報を提供してくれるパターンが多い傾向ですが、できる限り企業側から提供のタイミングを示し、管理しやすくすると良いでしょう。
取得した個人情報の管理方法
先ほど触れた通り、LINE公式アカウントではやり取りにおけるさまざまなタイミングで個人情報が収集されるため、個人情報保護法にもとづいた適切なプライバシーポリシーを作成する必要があります。プライバシーポリシーとは、収集する個人情報の種類、利用目的、管理方法を分かりやすく示したものです。
加えて、LINE公式アカウントを運営する際は、収集した情報を適切に保管するだけでなく、不要になった情報は法律と規制に従い削除するルールも設けましょう。
また、プライバシーポリシーや管理体制が最新の法律などに準じた状態を保てるよう、定期的に見直すことも忘れてはいけません。
情報流出を避けるためにはセキュリティ対策が重要
いくら管理体制を整えても、不正アクセスや人的ミスによる情報流出を完全に防ぐことは難しいのが現実です。
管理と対策が不適切ではアカウントの乗っ取りや不正利用のリスクを高め、企業の信頼を大きく損なう原因となります。
そのため、セキュリティ対策は顧客を守るだけでなく企業の信頼を守るための基盤でもあるのです。
具体的な対策は後で解説するので、まずはセキュリティ対策がいかに重要かを把握しておきましょう。
LINE公式アカウントの個人情報流出によるリスク

LINE公式アカウントを運用する企業にとって、個人情報の流出は深刻な問題となります。
個人情報が流出した場合、プライバシー保護法に基づく罰則を受けるだけでなく、法的なトラブルや損害賠償に発展する可能性があります。さらに、流出した情報が詐欺やなりすましに悪用されることで、顧客の日常生活に影響を及ぼす危険性も否定できません。
ここでは、「個人情報の漏洩」「第三者による個人情報の不正利用」「利用者のプライバシー侵害」という観点から、具体的なリスクについて解説します。
個人情報の漏洩
LINE公式アカウントで収集された個人情報はサーバーで安全に保管されています。しかし、利用する側のセキュリティトラブルや外部からの影響で漏洩するリスクは否めません。
具体的な漏洩のパターンは以下の通りです。
- サイバー攻撃によって大量の顧客情報が盗まれる
- 内部のアクセス権限が不適切で、誤った情報共有が行われる
- LINE公式アカウントの乗っ取りにより、不正なメッセージが顧客に送信される
これらは顧客との信頼関係が崩れるだけでなく、企業にとっても多大な損害をもたらすでしょう。一度失った顧客からの信頼は簡単には取り戻せないため、事前の管理体制構築は極めて重要と言えます。
第三者による個人情報の不正利用
流出した個人情報は、悪意を持った第三者によって不正利用される危険性もあります。
- 詐欺やスパムメールへの利用
- なりすまし
- フィッシング詐欺
また、流出した情報がネット上で売買された場合、さらなる二次被害が連鎖的に広がる可能性もあります。
そのため、不正利用のリスクを最小限に抑えるには、企業が情報流出を軽視せず、収集した個人情報の暗号化、アクセス権限の厳密な管理などを徹底しなければなりません。
利用者のプライバシー侵害
個人情報の流出は顧客のプライバシーを直接的に侵害し、企業への信頼も損なうリスクがあります。以下のような情報が漏れてしまう可能性もあり、最悪の場合顧客の日常生活にも支障を与えてしまうでしょう。
リスクの種類 | 具体例 | 影響 |
---|---|---|
趣味や嗜好の流出 | 購買履歴やアンケート結果が外部に漏れる | 顧客の趣味や嗜好が知られることで、プライバシーの侵害につながる |
位置情報の流出 | 地域限定キャンペーンや店舗案内で取得された位置情報が外部に漏れる | 行動範囲や日常の習慣が特定されるリスクが生じる |
画像や写真の不適切な利用 | プロフィール画像や投稿写真が意図せず広告やマーケティング素材に使用された場合 | プライバシー侵害だけでなく、顧客に不快感やストレスを与える可能性がある |
上記の中でも画像はデジタルタトゥーに発展する懸念があり、位置情報は直接的な犯罪行為に悪用されるかもしれません。こうしたリスクを防ぐため、企業は収集する個人情報の範囲を必要最小限に抑え、情報収集の目的と使用方法、管理体制を明確に説明する義務があるのです。
LINE公式アカウントで個人情報を流出させないためのセキュリティ対策5選

ここからは、LINE公式アカウントで個人情報を流出させないために実践できる5つのセキュリティ対策を紹介します。
- 2段階認証を設定する
- ログインパスワードの使いまわしを避ける
- 社内のネットワーク環境でのみログインする
- アカウント運用の担当者数は必要最小限にする
- 研修などを実施しセキュリティ対策への理解を深める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2段階認証を設定する
アカウントを安全に保つうえで、2段階認証は必須のセキュリティ対策と言えます。
通常のパスワードに加えて、スマートフォンに送信される認証コードを入力するのが一般的であり、万が一パスワードが流出しても第三者による不正ログインを防ぐことができます。
また、2段階認証はLINE公式アカウントの管理画面から簡単に設定可能です。
シンプルな手順でアカウントの安全性を大幅に高められるため、LINE公式アカウントを登録する段階で設定しておいた方が良いでしょう。
ログインパスワードの使いまわしを避ける
複数のアカウントで同じパスワードを使用すると、1つのアカウントが流出した際に他のアカウントまで不正アクセスされるリスクがあります。
そのため、LINE公式アカウント専用のパスワードを設定しつつ、以下も心がけましょう。
- 英数字や記号を組み合わせた8文字以上の複雑なパスワードを使用する
- 推測されやすい誕生日や電話番号を避ける
- 定期的にパスワードを変更する
上記を踏まえて設定したパスワードは、第三者に見られないような形で共有する必要があります。組織単位でLINE公式アカウントを用いる場合は特に厳重にルールを定めてください。
社内のネットワーク環境でのみログインする
LINE公式アカウントは、厳重に管理された社内ネットワークのみでログインし、使用するのがおすすめです。
たとえば、公共のWi-Fiは多くの人が接続するため、通信が盗聴されたり、アカウント情報が不正に取得されたりするリスクが高まります。
特に、顧客情報を含む重要なデータを扱うアカウントで、外部ネットワークを使うのは非常にリスクが高いので、やむを得ず外部環境からアクセスする場合は、セキュリティソフトやVPNといった通信を暗号化できるツールを活用しましょう。
アカウント運用の担当者数は必要最小限にする
アカウント運用者を必要以上に増やすと管理が煩雑化し、人的ミスや個人情報流出のリスクが高まります。
そのため、アクセス権限を持つ人数を制限し、担当者ごとの役割を明確にするのがおすすめです。
加えて、担当者が退職した場合や役割が変わった際は速やかに権限を見直し、不要なアクセスを防ぎましょう。
研修などを実施しセキュリティ対策への理解を深める
運用担当者全員がセキュリティに関する正しいリテラシーを持つことも、LINE公式アカウントを安全に運用するうえで重要です。
定期的に研修、勉強会などを実施し、個人情報保護法やセキュリティの基本知識を共有しましょう。
さらに、フィッシング詐欺やパスワード管理に関する具体的なリスク事例を学ぶことで、スタッフ全体の危機意識も高められます。
もし社内に講師を務められる人材がいなければ、外部の専門家に講義を依頼するのもおすすめです。
LINE公式アカウントの個人情報流出を防ぎ、顧客との信頼を守ろう

本記事では、LINE公式アカウントにおける個人情報流出リスクと、流出を防ぐための具体的な5つのセキュリティ対策について解説しました。
LINE公式アカウントは顧客とのコミュニケーションを円滑にする便利なツールですが、同時に適切なセキュリティ対策も徹底しなければなりません。
【LINE公式アカウントで個人情報流出を防ぐための主な対策】
- 2段階認証を設定する
- ログインパスワードの使いまわしを避ける
- 社内のネットワーク環境でのみログインする
- アカウント運用の担当者数を必要最小限にする
- 研修を通じてセキュリティ対策の理解を深める
これらの対策を実施することで、個人情報流出を未然に防ぎ、顧客との信頼関係を守ることができます。
安全かつ効果的なアカウント運用を目指すためにも、本記事を参考にセキュリティ対策を今一度見直してみましょう。