Webサイトはビジネスにおいて必須のツールだと分かってはいるものの、以下のような悩みによって最適な選択が難しいと感じる方も少なくありません。
「自社に合ったWebサイトの種類がどれなのか判断できない」
「どうやってWebサイトの制作を進めれば良いのか、費用対効果はどうなのか不安」
そこで今回は、Webサイトの種類と効果的な選び方、制作方法を解説します。Webサイトの種類と特徴、選び方の基準、Webサイトの制作方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目的によって制作すべきWebサイトの種類は異なる

Webサイトは目的に応じて種類を選ぶ必要があるため、制作前にゴールを明確にしましょう。
近年は企業活動においてWebサイトの活用が当たり前となり、用途も多様化しています。ただ制作するだけでは不十分で、自社の目標達成に向けて最適な設計が必要です。
目的を明確にせずに制作を始めると、サイト構成が曖昧になり、後から手戻りが発生するかもしれません。Webサイトは、掲載する内容や導線・デザイン・機能まで、すべてが目的に合わせて変わります。
事業戦略を踏まえ、どのような役割を持たせるかを定めてから制作を進めることが欠かせません。
Webサイトの目的の例
Webサイトは目的に応じて内容や設計が変わるため、目的設定が最優先事項です。
具体的には、以下の5つの目的に分類できます。
目的 | 主なターゲット | 推奨されるサイト種別 | 特徴的なコンテンツ・役割 |
---|---|---|---|
企業の信頼性・認知向上 | 顧客・取引先・求職者 | コーポレートサイト、ブランドサイト | 会社概要、理念、沿革、代表メッセージ、事業紹介、ブランドストーリー、CSR活動など |
顧客の獲得・売上拡大 | 一般ユーザー・見込み顧客 | ランディングページ、ECサイト、オウンドメディア、サービスサイト | 商品・サービスの特徴、価格、購入導線、FAQ、SEO記事、導入事例、比較表、CTAボタンなど |
認知拡大・話題づくり | 一般ユーザー・SNS層 | キャンペーンサイト、ブランドサイト | 限定企画、プレゼント応募、SNS連動、特設ページ、イベント情報、世界観訴求など |
人材採用の強化 | 求職者 | 採用サイト、コーポレートサイト内の採用ページ | 募集要項、社内紹介、社員インタビュー、働き方、求める人物像、選考フロー、エントリーフォームなど |
情報の集約・共有 | 顧客・パートナー企業 | ポータルサイト | 複数コンテンツのハブ機能、業界ニュース、FAQ、マニュアル、外部リンク、カテゴリ別記事など |
目的を明確にすることで、Webサイト全体の設計方針や必要な機能・コンテンツが判断しやすくなり、成果につながる構成を組み立てやすくなるでしょう。
Webサイトの種類と特徴・制作時のポイント

ここでは、Webサイトの種類と特徴・制作時のポイントを紹介します。
- コーポレートサイト
- ランディングページ(LP)
- ECサイト
- オウンドメディア
- 採用サイト
- サービスサイト
- ブランドサイト
- キャンペーンサイト
- ポータルサイト
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
コーポレートサイト
コーポレートサイトは、企業や団体の公式情報を発信するWebサイトです。顧客や取引先・求職者が最初に企業を確認する場となるため、信頼感や第一印象を左右するといっても過言ではありません。
掲載内容は、企業理念や事業内容・サービス紹介・IR情報・採用情報など多岐にわたり、常に最新の状態に保つ必要があります。ブランドイメージに合ったデザインや配色に加え、目的の情報にすぐアクセスできる構成にすることで、ユーザーの離脱を防げるでしょう。
読みやすさや導線も意識し、情報をわかりやすく整理する工夫が求められます。
ランディングページ(LP)
ランディングページは、商品購入や資料請求など、1つの行動を目的とした1ページ完結型のWebサイトです。
ページ遷移を避け、商品の魅力や特徴・購入方法・よくある質問などを集約して掲載します。ターゲットを絞った上で、共感を呼ぶキャッチコピーや実績の提示・信頼感のある構成で、離脱を防ぎながらアクションを促します。
特に最初に表示される画面には、明確なCTAボタンを配置し、目的の行動へスムーズに誘導できる設計が欠かせません。
ランディングページに関しては、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイト
ECサイトは、インターネットを通じて商品を販売するWebサイトで、オンラインショップやネットストアとも呼ばれます。
時間や場所にとらわれずに販売が可能で、販路拡大や新規顧客の獲得にもつながるでしょう。主な構成は、商品ページ・カテゴリ・カート・決済機能・法的表記などで、導線をシンプルに整え、購入までの流れが分かりやすい設計が必要です。
クレジットカード情報などを扱うため、セキュリティ対策は欠かせません。販売履歴や顧客行動のデータ分析を活用すれば、マーケティング施策の改善にも役立つでしょう。
オウンドメディア
オウンドメディアは、企業が自社で運営・管理する情報発信サイトです。
広告費をかけずに集客や認知拡大を目指せる点が特長で、検索エンジン経由の流入や見込み顧客との接点づくりに向いています。読者の課題や関心に合ったコンテンツを継続的に発信すれば、ファンを育てながら企業への理解も深まるでしょう。
売り込みを避け、ユーザー目線を意識した構成にするのが信頼につながります。制作時は、中長期での戦略設計と明確なターゲティングが欠かせません。
採用サイト
採用サイトは、求職者に向けて企業情報や採用情報を発信するWebサイトです。
仕事内容や働く環境を具体的に伝えることで、企業との相性が合う人材との出会いを後押しします。掲載内容には、職種ごとの募集要項や選考フロー・社員インタビュー・社内制度・職場の雰囲気などが含まれます。
写真や動画を使ってリアルな働くイメージを届けられれば、応募の不安を和らげられます。応募までの流れがわかりやすい導線づくりも意識しましょう。
サービスサイト
サービスサイトは、特定の商品やサービスに特化したWebサイトで、詳細な情報を複数ページに分けて紹介する構成が特徴です。
主な目的は、製品の特徴や導入効果・料金体系などをわかりやすく伝え、購入や問い合わせにつなげること。比較検討中のユーザーに対しては、導入事例やユーザーの声を掲載するなどして信頼性を高めます。
構成は導線のシンプルさも意識し、問い合わせフォームや説明資料への動線も整備しておく必要があるでしょう。
ブランドサイト
ブランドサイトは、企業や商品の世界観や理念を深く伝えるWebサイトです。ブランドの認知拡大や信頼構築を目的に運用されます。
掲載内容には、製品やサービスの詳細だけでなく、企業理念や背景・ブランドの想いを伝えるコンテンツも含まれるのはご存じでしょうか。写真や動画、印象的なコピーなどを活用し、感情に訴える構成にすれば、ブランドへの共感を得やすくなります。
デザインや言葉のトーンを統一して、ブランドの魅力が自然と伝わる構成に整えましょう。
キャンペーンサイト
キャンペーンサイトは、商品やイベントの販促を目的に、短期間で公開されるWebサイトです。
新商品発売やイベント開催などにあわせて立ち上げられ、製品紹介やキャンペーンの詳細・申込フォーム・SNS連携などの情報を1か所に集約します。キャンペーン期間が限られているため、リリースまでのスケジュール管理が欠かせません。
アニメーションや動画を効果的に使って視覚的なインパクトを演出し、関心を引きつける設計を意識しましょう。
ポータルサイト
ポータルサイトは、特定分野の情報を集約し、ユーザーが必要な情報にアクセスしやすい構成を持つWebサイトです。
検索エンジン型のものだけでなく、グルメや住宅情報など、ジャンル特化型の例も多くあります。掲載内容は、ニュース・検索機能・役立つ情報・商品紹介など多岐にわたり、情報量が多くても迷わない設計が必要です。
構築にはコストや工数がかかるため、制作前には市場調査や設計方針を整理しましょう。
Webサイトの種類選びで迷ったときの基準

ここでは、Webサイトの種類選びで迷ったときの基準を2つ紹介します。
- 自社の課題を解決できるサイトを制作する
- 事業の成長段階を見極め優先順位を決める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自社の課題を解決できるサイトを制作する
Webサイトの種類を決める際は、まず自社が直面している課題を洗い出す必要があります。
採用面での課題がある場合は、企業の魅力や働く環境を伝える採用サイトが有効です。集客が課題であれば、商品販売を目的とするECサイトや、見込み顧客の獲得を意識したサービスサイト、中長期でのアクセス増加を狙うオウンドメディアが選択肢になるでしょう。
課題がはっきりすれば、必要な情報や機能が見えてきて、自然と自社に合うサイトの方向性が定まります。
事業の成長段階を見極め優先順位を決める
複数のWebサイトを検討する場合は、事業のフェーズに応じて制作の順番を決める視点が欠かせません。
Webサイトには費用と時間がかかるため、現状を見極めて、最も効果が期待できる内容から着手しましょう。創業初期であれば、信頼性や会社情報を伝えるコーポレートサイトが優先です。
一方、既存商品の売上が伸び悩んでいるなら、製品紹介に特化したサービスサイトで詳細な情報提供を強化する方法が有効です。自社の立ち位置を正しく把握すれば、いま取り組むべきWebサイトが明確になります。
Webサイトを制作する3つの方法

最後に、Webサイトを制作する方法を3つ紹介します。
- コーディングでオリジナルサイトを作成する
- CMSを活用して作成する
- 制作会社に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コーディングでオリジナルサイトを作成する
コーディングによるWebサイト制作は、HTMLやCSSを用いて一から設計できる自由度の高さが特長です。
テンプレートに縛られず、ブランドイメージに合った独自のデザインや機能を実現できます。社内に知識がある人材がいれば、外注費の削減も期待できるでしょう。
ただし、専門知識が必要で更新にも手間がかかるため、定期的な修正や変更が多いサイトには不向きなケースもあります。
CMSを活用して作成する
CMSを使えば、専門知識がなくてもWebサイトの構築や更新が可能です。
中でもWordPressは無料で使え、豊富なテンプレートとプラグインがそろっており、初心者でもデザイン性のあるサイトを手軽に作成できるでしょう。
一方、オープンソース型のCMSはサポートがなく、セキュリティ対策やカスタマイズには一定の対応力が求められます。小規模事業者にとっては導入しやすい選択肢です。
CMSサービスのひとつであるWordPressでのサイト作成に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
内部リンク:WordPressでサイト作成する方法は?メリットやデメリット・おすすめの制作会社も紹介
制作会社に依頼する
制作会社に依頼すれば、専門知識がなくても高品質なWebサイトを実現できます。
目的やターゲットをヒアリングしたうえで、企業課題に合わせた企画やデザインを一貫して任せられるのが強みです。見た目や操作性に優れた構成が期待でき、ビジネス展開にも好影響を与えます。
ただし、初期費用や運用コストは比較的高くなるため、目的や予算に合った制作会社を選定する視点が欠かせません。
目的に合ったWebサイトの種類を選んで集客につなげよう

本記事では、Webサイトの種類とそれぞれの特徴、最適な選び方、そして具体的な制作方法について解説してきました。
Webサイトは単なる情報掲載の手段ではなく、自社の目的を達成するための仕組みのひとつです。事前に目的や役割を明確にすれば、設計や運用の方向性が定まりやすくなるでしょう。
【最適なWebサイト選びと制作のポイント】
- Webサイトの種類と特徴を理解し、貴社の目的に合ったものを選ぶ
- 自社の課題や事業の成長段階を見極め、優先順位を決める
- コーディング・CMS活用・制作会社への依頼など、目的に応じて制作手段を決める
自社の事業に合ったWebサイトを構築できれば、情報発信や集客・採用など各種施策を効率的に進められます。本記事を参考に、集客につながるWebサイトの種類を選びましょう。