LINEを日常的なコミュニケーションツールとして活用している方は多いですが、ビジネスで活用している方はまだ限られています。
「LINEってビジネスにも使えるの?」
「集客や販促にラインを活用したいけど方法がわからない…」
ビジネスにLINEを取り入れたいと思いつつ、実際にどうはじめるのかわからずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、LINEでビジネスをはじめる方法をわかりやすく解説し、3つのメリットと押さえておくべきポイント・注意点まで詳しく紹介します。ラインを使ってビジネスを広げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
LINE(ライン)でビジネスをはじめるなら「LINE公式アカウント」の作成が必要

ビジネスでLINEを活用するには、個人用のラインアカウントではなくLINE公式アカウントの作成が必要です。
LINE公式アカウントは企業や店舗向けのLINEサービスで、ビジネスに特化した機能が多数備わっています。
- ビジネスに活用できるLINE公式アカウントとは
- LINE公式アカウントの料金プラン
- 認証済みアカウントと未認証アカウントの違い
LINE公式アカウントを知らない方のために、特徴と料金プランを解説します。
ビジネスに活用できるLINE公式アカウントとは
LINE公式アカウントは、情報発信やクーポン配信などが行えるビジネス向けのLINEアカウントです。
家族や友人とのやり取りで使う個人用アカウントとは異なり、LINE公式アカウントは集客や販促、顧客との関係づくりを目的として設計されています。
なお、LINE公式アカウントの具体的な機能は以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方は合わせて読んでみてください。

LINE公式アカウントの料金プラン
LINE公式アカウントには、ビジネスの規模やメッセージの配信数に合わせて3つの料金プランが設けられています。 主なプラン内容は以下の通りです。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 5,500円(税込) | 16,500円(税込) |
無料メッセージ数 | 200通 | 5,000通 | 30,000通 |
追加メッセージ | 不可 | 不可 | 1通あたり3円 |
どの料金プランを選んでも使える機能に差はないため、最初は無料の「コミュニケーションプラン」で運用を開始し、メッセージ数や友だち数の増加にあわせて料金プランを見直すのがおすすめです。
なお、月の途中で上位プランに変更する場合は差額分を支払えば即時適用されますが、下位プランへの変更は翌月からの適用となるので注意しましょう。
LINE公式アカウントの料金体系を詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

認証済アカウントと未認証アカウントの違い
作成直後のLINE公式アカウントは、すべて未認証アカウントとして登録されます。
未認証アカウントの状態でも基本的な機能は利用できますが、LINE社の審査を受けて通過すればより多機能な認証済アカウントへ切り替えできます。
以下、未承認アカウントと認証済アカウントの違いをまとめました。
項目 | 認証済みアカウント | 未認証アカウント |
---|---|---|
審査 | あり(LINE社の審査) | なし(アカウント作成と同時に利用可能) |
検索表示 | ラインアプリ内で検索対象になる | 検索表示されない |
認証マーク | 青い認証バッジが表示される | バッジは表示されない |
支払い方法 | クレカ/LINE Pay/請求書払い | クレカ/LINE Payのみ |
販促機能 | 友だち追加広告、販促ツールが利用可能 | 利用不可 |
未認証アカウントはファンクラブや会員制サロンのように、限られた相手への情報発信に適しています。
一方で、認証済アカウントはブランドやサービスの認知拡大、店舗への集客、キャンペーンの案内など、広く情報発信を行いたいビジネス向けです。
ラインでビジネスを展開する際は、信頼性と発信力の面で有利な認証済アカウントの取得がおすすめです。
LINE公式アカウントを活用してLINEでビジネスをするメリット3選

LINE公式アカウントをビジネスに活用して得られる主なメリットは、以下の3つです。
- ユーザー数が多く幅広い層にアプローチできる
- 集客や販促に利用しやすい
- メールより気軽に利用でき開封率が高い
それぞれのメリットを紹介します。
ユーザー数が多く幅広い層にアプローチできる
ラインは日本国内で圧倒的なユーザー数を誇るSNSのひとつで、月間のアクティブユーザーは約9,700万人にのぼります。
10代から60代以上まで性別を問わず多くの人に利用されているため、LINE公式アカウントを活用すれば、ユーザー数の多さを活かして幅広い層へアプローチが可能です。
さらに、ラインは日常的に使われているアプリなので、新規アプリのインストールや会員登録を促す必要もありません。
QRコードやリンクを通じて友だち追加してもらうだけでユーザーと手軽に接点を持てるのもメリットと言えます。
集客や販促に利用しやすい
LINE公式アカウントは情報を発信するだけでなく、ラインでビジネスをするうえで欠かせない、集客や販促に役立つ以下のような機能が充実しています。
機能 | 目的・効果 |
---|---|
クーポン配信 | クーポンや特典を配信し購入のきっかけを作る |
抽選キャンペーン | クーポンやプレゼントが当たる企画でユーザーの興味を引きつける |
ショップカード | ポイントを付与して再来店や継続利用を促す |
アンケート | ユーザーの声を集めて商品やサービス改善に活かす |
分析 | 開封・クリック率を把握し配信の精度を高める |
LINE公式アカウントを友だち追加してくれたユーザーは、基本的に自社の商品やサービスに関心をもっている状態です。
クーポンやショップカードなどの機能をうまく活用して、商品やサービスの購入につなげていきましょう。
メールより気軽に利用でき開封率が高い
LINE公式アカウントで配信したメッセージは、ユーザーのライントーク画面に直接届くため読まれやすく、開封率は60%以上とされています。
メールの場合、迷惑フォルダに振り分けられ、読まれない、届かないなどの問題があります。
メールの平均開封率は20%前後と低く、LINEの方が情報を届けやすいのがメリットの1つです。
ただし、気軽に読んでもらえるとはいえ、過度な配信はユーザーの不快感を招きブロックの原因となりかねません。配信の時間帯や頻度を調整し、ユーザーの負担にならないよう配慮しましょう。
ビジネスで使用するLINE公式アカウントの作成手順

LINE公式アカウントの作成手順は、以下の手順で行います。
- 公式アカウントにアクセスしてLINEビジネスIDを作成する
- LINEアカウントとメールアドレスどちらで作成するか選択する
- 作成フォームに必要事項を入力する
- LINE公式アカウントの管理画面にログインする
これから公式アカウントを作成する方は、一緒に進めていきましょう。
公式アカウントにアクセスしてLINEビジネスIDを作成する
まずはLINE公式アカウント開設ページにアクセスして、LINEビジネスIDを作成しましょう。ビジネスIDの作成は、以下の手順で簡単に行えます。
- LINE公式アカウントのトップページを開く
- パソコンの場合:「LINE公式アカウント 開設」と検索し、公式サイトにアクセス
- スマートフォンの場合:「App Store」または「Google Play」で「LINE Official Account」アプリを検索しダウンロード
- 「LINE公式アカウントをはじめる」または「アカウント開設」をクリック
- 「LINE Business ID」の登録画面が表示される
LINEビジネスIDとは、LINE公式アカウントにログインするための専用IDで、無料で作成できます。
LINEアカウントとメールアドレスどちらで作成するか選択する
次に、LINEビジネスIDを「LINEアカウント」または「メールアドレス」のどちらで作成するかを選択します。
【LINEアカウントで登録する手順】
- 「LINEアカウントでログイン」をクリック
- ログイン認証を許可するか、QRコードをスキャン
- 表示された画面の案内に従ってアカウントを作成
【メールアドレスで登録する手順】
- 「メールアドレスで登録」をクリック
- 氏名・メールアドレス・パスワードを入力して送信
- 確認メールのリンクをクリックして登録を完了
LINEでビジネスを行う場合は、メールアドレスでの登録がおすすめです。
ビジネス用のメールアドレスを使うと、管理やアカウントの引き継ぎがスムーズに行えるため、企業やチームなど複数人でのビジネスアカウント運用に適しています。
作成フォームに必要事項を入力する
LINEビジネスIDの作成が完了したら、続いて表示されるのがLINE公式アカウントの作成フォームです。
ここではアカウントの基本情報を入力し、初期設定を進めていきます。
- アカウント名
- メールアドレス
- 会社・事業者名
- 業種カテゴリー
- 運用の目的を選択
- アカウントの主な使い方を選択
この情報はユーザーに表示される項目も含まれます。
アカウント名や業種カテゴリーはLINE内での検索結果や印象にも関わるため、正確に入力しましょう。
LINE公式アカウントの管理画面にログインする
LINE公式アカウントの初期設定後は、管理画面にログインして運用を開始しましょう。
管理画面はアカウントの運用状況をひと目で確認できるダッシュボード形式となっており、メッセージ配信や自動応答設定、クーポン作成、プロフィール編集などのアカウント運用に必要なすべての操作を行えます。
初めて操作する際はプロフィール編集や自動応答設定などの基本機能の設定から進めましょう。
LINEでビジネスをする際に押さえておくべきポイント・注意点

LINEでビジネスをする際、ただLINE公式アカウントを作成して情報を発信するだけではなく、以下のような押さえておきたいポイントや注意点があります。
- まずは友だちを集める必要がある
- 機密事項や個人情報の流出に注意する
- 配信の頻度や内容の有益性を考慮する
- 長文を避け読みやすさ・伝わりやすさを意識する
- ブロックされてしまう可能性もある
ビジネスを発展させていくために、それぞれの注意点を解説します。
まずは友だちを集める必要がある
LINE公式アカウントを運用するうえで最も重要なのは「友だちの数」です。
配信内容が届くのは友だち追加をしてくれたユーザーに限られるため、質の高い情報や魅力的なクーポンを届けるためには友だち登録をしてもらう必要があります。
友だち登録が進まない場合、以下の方法を試してみましょう。
- チラシやPOPにQRコードを載せて来店者に登録を促す
- Instagramやホームページ、ブログなどにリンクを貼り登録を促す
- 「友だち追加で10%オフ」や「次回使えるクーポン」など、登録したくなる特典を用意する
「友だち追加する価値がある」とユーザーに感じてもらえるような特典やキャンペーンを準備し、友だちを効率よく集めましょう。
機密事項や個人情報の流出に注意する
LINEでビジネスを行う以上、ユーザーの個人情報や機密事項の流出には細心の注意を払う必要があります。
万が一、情報が第三者に漏洩した場合、ユーザーの信頼を失うだけでなく法的責任や経済的損害をもたらしかねません。
こうしたリスクを未然に防ぐためには、以下のような基本的なセキュリティ対策を徹底しましょう。
- 2段階認証の設定をする
- 英数字や記号を組み合わせた8文字以上の強固なパスワードを使用する
- アカウントの管理権限は必要最小限に限定する
- 社内ネットワーク環境でのみログインを行う
また、ログインパスワードは使い回さずLINE公式アカウント専用のパスワードを設定するのがおすすめです。
設定したパスワードは定期的に変更し、第三者に見られないよう管理しましょう。
配信の頻度や内容の有益性を考慮する
LINE公式アカウントを効果的に活用するには、「何を、どのくらいの頻度で配信するか」が重要です。
配信頻度が高すぎるとユーザーが負担に感じてしまい、通知オフやブロックなどの離脱につながるおそれがあります。
一方で、配信が少なすぎるとアカウントの存在を忘れられ、ユーザーの関心を持続できなくなります。
適切な配信頻度や内容がわからない場合は、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 配信は週1〜2回を目安に設定する
- 他のSNSやメルマガと内容を差別化し、LINE公式アカウント限定の情報を発信する
- クーポン・キャンペーン・新商品情報・予約情報など「登録していて良かった」と感じられる内容にする
また、配信後は開封率やクリック率、ブロック率などのデータを分析し、アンケートなどを活用しながら配信頻度や内容の精度を上げていきましょう。
長文を避け読みやすさ・伝わりやすさを意識する
ユーザーはスマホでメッセージを読むため、長文はスクロールされず読まれないままスルーされてしまう可能性があります。
ユーザーに読んでもらうためには、以下を意識してメッセージを作成しましょう。
- メッセージは300文字以内を目安にまとめる
- 1文を短く区切り、句読点でリズムをつける
- 1配信1テーマを基本に情報を絞る
- 改行・箇条書き・絵文字・装飾を適度に使って読みやすくする
- 最も伝えたいことを冒頭に配置する
メッセージはひと目で内容が伝わることが大切です。
また、伝えたい情報が多い場合は要点だけをメッセージに記載し、詳細はリンク先で確認できるように誘導しましょう。
ブロックされてしまう可能性もある
長文で高頻度な情報発信が続くと、ユーザーに読まれないだけでなく、ブロックされてしまう可能性もあります。
LINEはワンタップでブロックできる手軽さがあるため、ユーザーが「この配信は自分にとって不要」と感じれば簡単に離脱されてしまうのです。
特に、以下のようなケースではブロックされるリスクが高くなります。
- 配信頻度が多すぎて通知がストレスになる
- 毎回似たような内容で情報に新鮮味がない
- 長文すぎて読みにくい 内容が宣伝ばかりで有益性が感じられない
- 深夜・早朝など配信の時間帯に配慮がない
一方で、ユーザーにとって読みやすく、役立つ情報を適切なタイミングで届けられれば、ブロックを防ぎつつエンゲージメントを高められます。
「またメッセージを受け取りたい」と感じてもらえる配信内容を心がけましょう。
LINE公式アカウントを活用して、今日からラインでビジネスを始めよう!

本記事では、LINE公式アカウントを活用したビジネスの始め方から、LINEでビジネスを行うメリット、運用時に押さえておくべきポイントと注意点を解説しました。
【LINE公式アカウントを活用してラインでビジネスを行う3つのメリット】
- ユーザー数が多く幅広い層にアプローチできる
- 集客や販促に利用しやすい
- メールより気軽に利用でき開封率が高い
LINE公式アカウントは無料で始められ、作成手順もシンプルなので初心者でもすぐに運用を開始できます。クーポン配信やショップカードなどの機能を活用すれば、販促やリピーター獲得につながるでしょう。
配信内容や頻度に配慮しながら運用すると、ユーザーとの信頼関係を深め、ビジネスの成果を着実に伸ばせます。
集客と売上アップにつなげるためにも、ぜひLINE公式アカウントをビジネスに取り入れてみてください。