ホームページが「シンプルすぎる」と言われる理由とは?構成を変えずに印象を変える見直し方を解説

ホームページのデザイン案を見て、シンプルすぎるのではないかと感じる方は少なくありません。
「デザイン案がなんだか物足りない気がする」
「もっと派手にしたほうがいいのか、このままでいいのか判断できない」
そこで今回は、ホームページのデザインが「シンプルすぎる」と感じる理由について詳しく解説します。
本記事では、シンプルすぎると感じる原因の見分け方や、構成を変えずに印象を変える見直し方を紹介しています。
あわせて、制作会社への伝え方も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜホームページが「シンプルすぎる」と感じられるのか

ホームページのデザイン案を見て「シンプルすぎる」と感じる背景には、いくつかの共通した理由があります。原因を切り分けずに手を入れると、かえって逆効果になることも少なくありません。
主な理由は、次の4つです。
- 差別化への不安があらわれている
- 情報の物足りなさと見た目の物足りなさを混同している
- 余白を手抜きだと感じている
- フリー素材の多用で量産感が出ている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
本当の理由は差別化への不安
「シンプルすぎる」というフィードバックの多くは、構成やページ数に対する不満ではありません。このままでは他社のホームページと同じに見えてしまうのではないかという、差別化に対する不安であるケースがほとんどです。
発注者側も情報が足りないとは感じていない場合が多く、見た目の印象が薄いことで自社らしさが伝わらないという懸念が先に立っている状態といえるでしょう。
ここで「独自性がない」という言葉をそのまま受け取り、新しいコンテンツ企画で応えようとすると、方向性がずれてしまいます。実際に求められているのは、既存の構成を保ったまま、要所に目を引くポイントをつくることです。
情報の物足りなさと見た目の物足りなさは別物
「シンプルすぎる」という感覚には、性質の異なる2つの要素が含まれています。
ひとつは、掲載しているコンテンツの量そのものが少ないという、情報の物足りなさです。もうひとつは、色や余白、写真、コピーの使い方が薄く見えるという、見た目の物足りなさです。
情報の物足りなさは、公開後の運用のなかで自然に埋まっていくことが多く、公開前に無理に埋める必要性は低いといえます。一方で見た目の物足りなさは、公開前に解消しておいたほうがよく、ページを増やさなくても直せます。
この2つを混同すると、見た目の物足りなさに対して新規コンテンツの追加という対応を当ててしまい、運用の負担だけが増えて印象は変わらない、という結果になりがちです。
余白は意図された設計であることが多い
余白が多くて寂しいと感じたとき、反射的に何かを詰め込みたくなるかもしれません。しかし、プロが組む余白の多くは、単に空いているのではなく、情報を目立たせるための設計です。
余白を埋めると、かえって次のような問題が起こります。
- 一番見てほしい情報が、周囲の要素に埋もれてしまう
- ページ全体の視線の流れが乱れ、どこから読めばいいか分かりにくくなる
- 詰め込んだ分だけ、レイアウトの調整コストが増える
余白はコストを削った結果ではなく、情報を強調するための余白であるケースが多いと知っておくと、デザイン案を落ち着いて見られるようになるでしょう。
フリー素材を多用すると「シンプルすぎる」の印象がさらに強まる
シンプルな構成に、フリー素材を多用した写真が重なると、量産感が加わって「シンプルすぎる」という印象がいっそう強まります。発注者側もこの量産感には薄々気づいていることが少なくありません。
ファーストビュー(ページを開いて最初に表示される部分)の写真だけでも独自素材に差し替えると、印象は大きく変わります。
ただし、独自素材を用意しないままファーストビューだけを大きく見せると、素材の質の低さがそのまま目立ってしまい、逆効果になることもあります。写真の手配とデザインの見直しは、あわせて検討するとよいでしょう。

同じフリー素材でも、デザイナー加工したものとそのまま使用したものでは印象が大きく変わります。もしそのまま使用されている場合は素材の加工についても相談してみると良いでしょう。
実際の制作で見えてきた効果的な見直し方


「シンプルすぎる」というフィードバックに対して、効果があった見直し方とそうでなかった見直し方には、はっきりとした違いがありました。
効果があった見直し方は、次の3つです。
- ファーストビューの作り直し
- 図解や地図など写真以外の要素の追加
- 色面のセクションの追加
それぞれ、なぜ効果があったのかを見ていきましょう。
ファーストビューの作り直し
ファーストビュー(ページを開いたときに最初に目に入る部分)は、訪問者が必ず目にする、もっとも重要なエリアのひとつです。
ここで要素を詰め込みすぎると、何を伝えたいサイトなのかが一目で伝わらなくなります。反対に、伝えたいことを絞り込むほど、パッと見て内容が伝わりやすくなります。
具体的には、次の3つの要素に絞って組み立てるのが基本です。
- メインフレーズ:一番伝えたいメッセージを一言で
- サブフレーズ:メインフレーズを補足する説明
- CTAボタン:お問い合わせや資料請求など、訪問者に次の行動を促すボタン(Call To Actionの略)
写真の上に情報を詰め込んだファーストビューよりも、この3点に絞ったほうが、伝えたいメッセージが強く印象に残ります。
図解や地図など写真以外の要素の追加
例えば、複数の営業所や拠点を紹介するページでは、拠点ごとに写真とテキストのカードを並べる作り方がよく使われます。ただし、拠点数が増えるほど、似たような構図の写真カードが延々と続く単調な構成になりがちです。
ここを地図に置き換えると、拠点の位置関係が一目で伝わるうえに、同じ体裁の写真カードを並べる必要がなくなり、単調さを避けられます。
具体的な事例


営業所をテキストベースで羅列した場合


営業所を図解で表現した場合
色面のセクションの追加
白い背景にカードが並ぶだけのページが続くと、どのセクションも同じ見た目になり、ページ全体がのっぺりとした印象になります。




ここに、背景へ色を敷いたセクションを挟むだけで、ページにリズムが生まれます。すべてのセクションに色を使う必要はなく、テレコにしたり、いちばん目を留めてほしい1箇所(強みの紹介や実績紹介など)に絞って使うなどの工夫することがポイントです。
手を入れるべきかを見分ける5つのポイント
デザイン案の「シンプルすぎる」という感覚が、実際に手を入れるべきものかどうかは、次の5つのポイントで確認できます。
チェックする項目は、次のとおりです。
- ファーストビューで何をしている会社か伝わるか
- メニューや問い合わせボタンが埋もれていないか
- 写真がフリー素材に頼りきりになっていないか
- 余白にリズムがあるか
- 競合と並べて見分けがつくか
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ファーストビューで何をしている会社か伝わるか
ページを開いて3秒で、何を扱っている会社なのかが伝わるかどうかを確認しましょう。ここが伝わっていない場合は、シンプルさよりも情報設計に問題がある可能性があります。
メニューや問い合わせボタンが埋もれていないか
ナビゲーションや問い合わせボタンが、背景や写真に紛れて見えにくくなっていないかを確認します。埋もれている場合は、装飾よりも導線の見直しを優先しましょう。
写真がフリー素材に頼りきりになっていないか
使われている写真がフリー素材ばかりになっていないかを見ます。フリー素材自体は悪いものではありませんが、多用すると量産感が出やすくなります。
余白にリズムがあるか
余白が、なんとなく空いているだけなのか、区切りとしてのリズムを持っているのかを確認します。リズムのある余白は、埋めるとかえって印象を損ねることがあります。
競合と並べて見分けがつくか
競合他社のサイトと並べて見たとき、自社だと見分けがつくかどうかを確認しましょう。見分けがつかない場合は、色や写真ではなく、伝える言葉そのものを見直す必要があるかもしれません。
チェックの結果、最初の3つのいずれかに当てはまる場合は、手を入れたほうがよいサインといえるでしょう。残りの2つだけであれば、構成の問題ではなく見た目のアクセントの話に絞って相談できます。
構成を変えずに印象を変える4つの見直し方
ここまでの内容を踏まえると、「シンプルすぎる」への対応は、ページや機能を増やすことではなく、次の4点の見直しで足りることがほとんどです。
制作会社に相談できる見直し方は、次のとおりです。
- ファーストビューを全面ビジュアルにする
- 図解や地図など写真以外の要素をひとつ入れる
- 色面のセクションをひとつ作る
- ファーストビューの写真だけでも独自素材にする
それぞれの伝え方を見ていきましょう。
ファーストビューを全面ビジュアルにする
ファーストビューに欲しいのは、見た瞬間に目を引く「惹き」です。惹きをつくる方法はいくつかありますが、質の良い写真を用意できるなら、写真を画面いっぱいに大きく見せる全面ビジュアル化も有効な選択肢のひとつです。写真の上にメインフレーズ・サブフレーズ・CTAボタンを重ね、要素を絞り込むほど、伝えたいメッセージが強く印象に残ります。
ただし、写真の印象よりも実績や信頼性を先に伝えたい業種(士業・BtoBなど)では、必ずしも最適とは限りません。自社の業種や、伝えたい情報の優先順位に合わせて、制作会社に相談してみましょう。
図解や地図など写真以外の要素をひとつ入れる
写真のカードが並ぶだけの構成が続くと、ページ全体が単調な印象になりがちです。ここに図解や地図などの要素をひとつ加えると、その単調さから抜け出しやすくなります。例えば、「サービスの流れを図で示していただけますか」といった形で、制作会社に相談してみるとよいでしょう。
色面のセクションをひとつ作る
白背景にカードが続くページは、全体として単調な印象になりがちです。ここに背景へ色を敷いたセクションをひとつ加えると、それだけでページにリズムが生まれます。例えば、「1セクションだけ背景に色を敷いていただけますか」といった形で、制作会社に相談してみるとよいでしょう。
ファーストビューの写真だけでも独自素材にする
フリー素材の量産感がもっとも目立ちやすいのは、ページを開いて最初に目に入るファーストビューです。すべての写真を差し替えるのが難しい場合でも、ファーストビューの1枚だけを独自に撮影・用意することで、印象を大きく変えられます。例えば、「トップの1枚だけは撮影を前提に組んでいただけますか」といった形で、相談してみるとよいでしょう。
いずれも、既存の構成を保ったまま、制作会社に具体的に依頼できる内容です。
やってしまいがちな失敗


「シンプルすぎる」という感覚への対応では、次のような失敗もよく見られます。
よくある失敗は、次の3つです。
- 「もっと派手に」と伝えて逆効果になる
- コンテンツ企画で応えて方向性がずれる
- 細部まで指定しすぎて統一感を失う
それぞれ見ていきましょう。
「もっと派手に」と伝えて逆効果になる
「もっと派手に」「にぎやかに」と伝えると、色数や装飾が増え、かえって素人っぽい印象になってしまうことがあります。
コンテンツ企画で応えて方向性がずれる
「独自性がない」という指摘をコンテンツ企画の話だと受け取り、新しいページ企画で応えると、求められていた見た目のアクセントとはずれた対応になりがちです。
細部まで指定しすぎて統一感を失う
細部まで指定しすぎると、全体としての統一感がない、まとまりのない仕上がりになることがあります。
いずれも、何が足りないのかを分解しないまま対応した結果、起きているといえるでしょう。
制作会社への伝え方
違和感をそのまま「なんか地味」「もっといい感じに」と伝えると、制作会社側も対応の方向を絞り込めません。事実、影響、提案の3点に分けて伝えると、意図が正確に届きやすくなります。
「なんか地味な気がします。もっと派手にしてください」
と伝えるのではなく、次のように伝えると具体的です。
「トップが写真カードの繰り返しで(事実)、競合他社と見分けがつきにくい気がします(影響)。ファーストビューを全面ビジュアルにする案を見せてもらえますか(提案)」
あわせて、感じている物足りなさが情報の話なのか見た目の話なのかを最初に共有しておくと、やり取りの手戻りを減らせるでしょう。
「シンプルすぎる」の正体を押さえて、伝わるホームページにつなげよう
本記事では、ホームページのデザイン案が「シンプルすぎる」と感じる理由や、構成を変えずに印象を変える見直し方について解説しました。
デザイン案への違和感を正しく見分けられれば、ページを増やさなくても、伝わる印象に近づけられます。
ホームページが「シンプルすぎる」と感じたときのポイント
- 「シンプルすぎる」の正体は、構成への不満ではなく差別化への不安であることが多い
- 情報の物足りなさと見た目の物足りなさは別物であり、混同すると対応を誤りやすい
- 見た目の物足りなさは、色、余白、写真、コピーの見直しで対応できる
- 制作会社には、事実、影響、提案の順で伝えると意図が届きやすい
デザイン案への違和感は、公開前のこの段階で解消しておくほど、見直しのコストを抑えられるでしょう。
デザインの方向性の判断は、専門知識や経験が必要な分野です。社内での判断が難しいと感じた場合は、制作会社への相談を視野に入れるとスムーズです。適切なパートナーを選べば、狙った印象に近づけやすくなるでしょう。









